ホスバヤル君とMNBF会長

ホスバヤル君とモンゴル国民野球機構前会長  4月6日、ホスバヤル君から報告がき...

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ホスバヤル君とモンゴル国民野球機構前会長
ホスバヤル君とモンゴル国民野球機構前会長

 4月6日、ホスバヤル君から報告がきた。
「当選しました。ありがとうございました」。
「そうか、おめでとう」
何の事かというと、モンゴル国民野球機構(MNBF)の会長選挙である。
「皆さんが信頼をしてくれました。それは、あのマニフェストが決め手になりました」。
 ホソことゲルグバータル・ホスバヤル君は、今年に入ってから日本とモンゴルを行ききしていた。その理由は分からなかったが、3月になってから、私に相談があった。MNBF会長から「自分は引退するので、その後任として君を推薦したい」といわれたと言う。ホソ君自身はやる気満々で、相談というのは、立候補にあたってのマニフェスト作成の知恵をかせということだった。
 さっそく、YBCの東京事務局で、加藤副理事長も交えて、マニフェストの骨子を作った。その一部が以下である。

<前文>
1、野球はチーム競技であり、個人競技と違ってチーム全体のために個人が努力するものである。「個人の利益よりも全体の利益を大事にする」という精神は、国家を発展させるためにも重要である。野球を通して、この「全体の利益を大事にする精神」を学ぶことは、我々モンゴル共和国の国民に大きな進歩を齎し、モンゴル共和国の飛躍を生みだす。
2、野球の効用はそれだけではない。野球は世界的な人気スポーツである。人気スポーツは、どの国でもプロチームがあるが野球も多くの国でプロチームが存在する。米国では(中略)、アジアでも日本は最大スポーツである。韓国や台湾にもプロチームがある。2年に一度はアジア野球選手権大会が開催され、昨年までに25回を数えている。そのような野球をモンゴルで普及することは、米・日・韓といった諸国やアジア全体との交流を更に拡大する手段にもなる。野球が、経済・文化・政治などの分野の交流に大きな役割を果たすという、正にスポーツ外交である。
3、MNBFは、会長はじめ諸先輩の努力によって、我がモンゴルに野球を普及させてきたが、これを更に我々若い世代が受け継ぎ発展させていくのが使命だと考える。その決意の下に、私ゲレクバータル・ホスバヤルは、MNBFのリーダーとして今後、モンゴルの野球普及と拡大のために全力を尽くしたい。
 1998年、私はモンゴル国立体育大学に在学中、谷沢健一氏に招かれて日本に留学し、名古屋商科大学では野球部に所属して活躍した。更に働きながら日本で野球を続け、現在はNPO法人「谷沢野球コミュ二ティ千葉」のYBCフェニーズ球団に所属している。同法人は谷沢健一氏(日本で最も名誉ある「名球会」会員であり、早稲田大学客員教授として野球を指導している)を理事長とする組織であり、私の今後の活動を支援してくださることになっている。このような日本の人脈を活用して、私のモンゴルでの活動を一層活発にするつもりである。
また、モンゴルにおける野球の目的や事業拡大に向けて次のように記した。
<目的>
本連盟は、世界的人気を誇る野球をモンゴルに発展させ、子供たちに野球の魅力を教え、野球を通じて国際友好親善に貢献すると共に、モンゴルを代表する選手及び指導者の育成強化を図り、モンゴル野球の振興に寄与することを目的とする。
<事業>
モンゴル野球連盟は目的を達成するために次の事業を行う
1、野球競技のモンゴル国内の発展に関する基本方針を策定する
2、モンゴル小・中・高学校において野球競技に興味を抱く学生たちを選出し、野球を教え「野球選手の育成」を行う。更に社会人野球の普及に貢献する。
3、野球の基本知識及び選手強化に基づく技術指導に関しては、日本野球連盟から技術支援と交流を行う
4、野球の指導者の選抜は、国内の体育大学生および卒業生から選び、連盟から優秀な指導者を日本に派遣し指導者の育成を行う
5、小・中・高学校に野球競技を体育科目の一環として浸透させるために学校との連携を図り、学校において野球チームを作り、野球人口を拡大する
6、野球チームに対して、野球道具の支援を行い、野球教育書を作成し配布をする
7、野球情報センター」を設立し、アジア諸国の野球連盟との交流を高め、野球競技についての最新情報と野球競技を社会に浸透させること
8、在モンゴル外国人とモンゴル社会人野球チームの交流大会を年一回開催する
9、モンゴル国内小・中・高学校の「野球チーム」の全国少年野球大会を開催する
10、5年以内に野球競技および一般市民にも開放できる専用グランドとスポーツジム(多目的ドーム)を建設する
11、日本からの派遣指導者との意思疎通を図るために、日本語教室を設立する

 予てから、ホソ君には将来モンゴル野球界を背負うリーダーとして活躍してほしい、と願って、日本の野球文化に精通してもらった。プロ野球選手になるという夢は果たしていないが、来日して13年目を迎えたホスバヤル君が、日本とモンゴルの野球の架け橋になれたことは嬉しい
限りである。彼については『野球のソムリエ』に記述したので、これ以上触れない。
 当選後、エルベグドルジ大統領から「会いたい」という要請があったという。だが、すでに日本へのエアチケットを購入していて、スケジュールも決まっていたので、大統領を「袖にして」日本へ戻ったという。私は思わず言った、「朝青龍とは会おうとしなかった大統領が、ホソに会いたいと言ったのに、それを蹴って来るとは、いい度胸だなあ」
 YBCから海を越えて羽ばたいていく第1号である。大いに祝福したい。

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